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一言で仏像といっても多種多様な形態があります。お地蔵様から奈良の大仏まで、形や大きさも違いますが全ては経典でさだめられた形式に則って作られています。
ここでは、お寺などで一般的に目にする仏像の種類と、その意味するところについてお伝えしたいと思います。

仏像は一般的には、如来、菩薩、明王、天、諸尊に分けられ、下表のような意味合いをもっています。
  如  来
如来という言葉は「正しく悟りを開いた人」という意味で、本当の意味での「仏(釈迦)の像」は如来だけです。 また「正しく悟りを開いた人」という意味での如来は釈迦如来しかないことになりますが、大乗仏教の時代を経るとともに阿弥陀如来や薬師如来、大日如来など が作られるようになりました。

如来像はもともと出家した釈迦をモデルとしているので、着衣も袈裟だけをまとい装身具のない質素な形が基本となります。髪の毛は,螺髪(らほつ)と呼ばれる ブツブツの髪で表現され、また頭の中央部が盛り上がっています(頂髻相、肉髻)。如来像は似ている姿が多いので、どの如来かを見分けるには少し知識が必要となり そのあたりを中心に、各如来像についてご説明いたします。
●釈迦如来像
釈迦如来像 最初にも説明しましたが、釈迦如来像は如来像だけでなく仏像の基本形です。釈迦如来像の特徴としては、如来像の見分け方に共通しますが、 印相(いんぞう、手のかたち)にあります。
印相についても「釈迦の五印」と呼ばれ、他の如来や菩薩像にも見られる基本的な印相があります。

定印 まず、釈迦が菩提樹の下で深い瞑想に入ったときの姿を表した「定印」(じょういん)、
説法印 そして、釈迦が最初に説法をしたときの姿を現した「説法印」(せっぽういん)、
施無畏印,与願印 また、右手を上げ手を開いて手のひらをこちら側に見せる形で、説法を聞く人の畏れを取り去る(緊張を和らげる)「施無畏印」(せむいいん)、 左手をたらして手のひらを開きこちら側に見せる形で、人々のさまざまな願い聞き入れ、それをかなえることを示す「与願印」(よがんいん)、
降魔印 釈迦が菩提樹の下で悟りを開いたときに妨害しに来た悪魔を、右手の人差し指を地に付けて退散させた姿を表した「降魔印」(ごうまいん)
一般的なのは「施無畏印」、「与願印」ですが禅宗寺院では「定印」を多く見かけます。

その他にも、お釈迦様を表した仏像として、誕生仏(お釈迦様が摩耶夫人の右脇から生まれ、七歩あるいて「天上天下唯我独尊」と唱えている姿になぞらえたもの)、 苦行像(お釈迦様が出家後6年間苦行生活を送った時の様子を像にした物)、涅槃像(お釈迦様が亡くなったときの姿で、頭を北に向け右脇を下に横たわった姿で表現されます) などがあります。
●阿弥陀如来像
阿弥陀如来 阿弥陀如来は、現在もなお、西方十万億度に極楽浄土を開いて、そこで教えを説き続け、われわれ凡夫や、たとえ極悪非道の人間であっても「南無阿弥陀仏」と念じていれば 臨終に際して救いにやってきてくださるとされいます。

他の仏様(如来)に比べて阿弥陀如来が最も多く信仰されているため、日本でも古くから多くの阿弥陀如来像が作られています。
阿弥陀如来の姿形や極楽浄土の様子は「観無量寿経」という経典に詳しく説かれており阿弥陀如来像もこの経典に基づいて作られています。

阿弥陀如来も、着衣も袈裟だけをまとい装身具のない質素な形で「如来の通相」と呼ばれる姿をしていますが、釈迦如来との相違点は、小指を除く三指と親指で輪にした、 下の図の「九品来迎印」(くぼんらいごういん)を結んでいるのが特徴です。

上品上生 上品中生 上品下生
上品上生上品中生上品下生
中品上生 中品中生 中品下生
中品上生中品中生中品下生
下品上生 下品中生 下品下生
下品上生下品中生下品下生
九品来迎印

「九品来迎印」は、阿弥陀如来が西国極楽浄土から臨終の人を迎えにくる時に表す印で、人の生前の行いの善悪や信仰の深さによって、まず、上品、中品、下品の 三段階に分けられ、各々の段階の中をさらに、上生、中生、下生として分けられます。

但し、平安初期以前の古い阿弥陀如来像では来迎印を組まないものもありますが、その場合は三尊像であれば、脇侍の菩薩が向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩を 従えた組み合わせであれば阿弥陀如来像と判断します。脇侍菩薩が普賢菩薩、文殊菩薩などの組合せであれば釈迦如来像となります。
●薬師如来像
画像無し 薬師如来は、西方極楽浄土の阿弥陀如来に対して東方浄瑠璃世界の仏様で、正しくは薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)と呼ばれます。

阿弥陀如来が、全ての人を死んだ後に極楽浄土に導いてくれるのに対して、薬師如来は人が生きている間に救いの手を差し伸べてくれる「現世利益」の仏様です。

薬師如来の特徴は、その名の通り医薬を司る仏で、衆生の病気を治し安楽を与えるとされるため薬壷を持っていることにあります。
右手は施無畏印、左手を与願印とし、その左手に薬壷(やくこ)をもちます。その他は如来の通相にしたがって作られます。但し奈良時代に作られたものは、薬壺を持たないものもあります。

薬師如来の光背に、六〜七体の如来像を配しているのを見ることがありますが、この像をとくに七仏薬師(しちぶつやくし)という薬師如来独特の光背で、薬師如来が 御利益を発揮するときの化身、分身とされています。七仏薬師は
  • 善名称吉祥王如来(ぜんみょうしょうきちじょうおうにょらい)
  • 宝月智厳音自在王如来(ほうげつちごんおんじざいおうにょらい)
  • 金色宝光妙行成就王如来(こんじきほうこうみょうぎょうじょうじゅおうにょらい)
  • 無憂最勝吉祥王如来(むうさいしょうきちじょうおうにょらい)
  • 法海雷音如来(ほうかいらいおんにょらい)
  • 法海勝慧遊戯神通如来(ほうかいしょうえゆげじんつうにょらい)
  • 薬師瑠璃光如来 やくしるりこうにょらい
となります。

また三尊像の場合(薬師三尊)、脇侍として、向かって右側に日光菩薩、向かって左側に月光(がっこう)菩薩がつき従っています。

薬師如来は、また、上記の二菩薩のほかに十二神将とよばれる像を周囲に配して作られることも多くあり、薬師如来とその信者を守る役目をするといわれます。
十二神将は全て鎧を身に付け、武器を手にしています。
また十二という数から、十二支と結び付き、それぞれ方位と時刻を守る守護神とされているともいわれています。各神将の名前と各々が守護する干支は以下のようになるといわれています。

 名称十二支本地仏
1.金毘羅弥勒
2.和耆羅得大勢(勢至)
3.彌伽羅阿弥陀
4.安陀羅摩利支天
5.摩尼羅観音
6.宗藍羅虚空蔵
7.因特羅地蔵
8.婆耶羅文殊
9.摩休羅薬師
10.真陀羅普賢
11.照頭羅金剛手
12.毘伽羅釈迦
●大日如来像
胎蔵界大日如来

金剛界大日如来
大日如来は密教の仏で、大日は摩訶毘盧遮那(マカビルシャナ)の訳で、摩訶は「大」、毘盧遮那は太陽をあらわすので「日」と訳され大日如来と呼ばれます。 大日如来は、宇宙の全てを仏格化し、諸仏の根本の仏として位置づけられています。

大日如来には「金剛界(こんごうかい)大日如来」と「胎蔵界(たいぞうかい)大日如来」があり、これは一つの大日如来を二つの違った側面から とらえたものです。
金剛界大日如来は、大日如来の智慧(ちえ)を象徴するもので、森羅万象は全て大日如来の絶対的な智慧が創り出したとされるものです。
胎蔵界大日如来は、大日如来の無限の慈悲を象徴するもので、森羅万象すべてが大日如来の慈悲にやさしく包み込まれていることを表すものです。

大日如来の特徴は、如来でありながら、宝冠、首飾りなどをきらびやかに身に着けているます。全ての仏を統一する最高の地位を象徴するものとして 同じように装身具を身に着けている菩薩よりもいっそう豪華なものにされます。

金剛界大日如来と胎蔵界大日如来の違いはまた、印相にもあらわされます。
智剣印 金剛界大日如来は智剣印(ちけんいん)を結んでいます。智剣印は胸の前に両手を上げて、一方の拳で他方の指を握っている形になっています。これは大日如来特有の印相です。 また、金剛界大日如来は頭に五智の宝冠をかぶります。
法界定印 胎蔵界大日如来は法界定印(ほうかいじょういん)を結んでいます。法界定印はさとりの境地を象徴するもので、他の如来、菩薩にも定印(じょういん)が見られますが、 大日如来についてはとくに法界定印と呼ばれています。
  菩  薩
菩薩は「悟り目指して修行している人」という意味で、釈迦の出家前の王子の時代の姿をモデルにしています。
そのため、インド貴族らしく天衣(てんね)、条帛(じょうはく)、裳(も)を着て宝冠をかぶり、イヤリング、ネックレス、ブレスレットなどの装飾品を身に着けています。
また、菩薩像は身近な願いを聞き入れる「現世利益の仏像」であり、多くの願いにこたえるために千手観音や十一面観音があり、持物とよばれる色々な持ち物を手にし、その能力を象徴する意味が込められています。

●聖観音像
聖観音像  
各菩薩像についての解説は現在製作中です
  明  王
明王は密教の仏で、もともとヒンズー教の神々を源とし、その神々が名前や形、役目を変えながら密教に取り入れられたものです。
明王の特徴は、そのほとんどがが忿怒の相をうかべ、背中に燃え盛る炎を背負っていることです。
明王は仏教に組み入れられ、如来の化身として、なかなか言うことを聞かない人たちを無理やりにでも教え導くためにそのような姿、形をしているといわれています
●不動明王
不動明王  
各明王像についての解説は現在製作中です
   天  
毘沙門天、帝釈天、弁財天、四天王や梵天などの「天」で、もともとその大半をインド古代宗教であるバラモン教を起源としています。 バラモン教は大変な多神教で、日本の八百万の神々にあたるもので仏教が成立した時点ですでに人々の間にいた神々を取り入れて「天」とし生み出されたとされています。
「天」はバラモン教に源を発するその由来のため、仏の種類が非常に多く、また性格も多種多様です。
●毘沙門天
毘沙門天  
天部各像についての解説は現在製作中です
  諸  尊
上記の如来、菩薩、明王、天の四つの分類に入らない仏像です。代表的なものは以下の通りです(天部にまとめられるものもあります)。
 
  • 十王 十三仏
  • 仏教でいう所の六道の入り口で生前の行為を調べ、次の生まれ変わり先を決める審判者です。
    泰広王から五道転輪王までを十王、不動明王から虚空蔵菩薩までを十三仏と呼びます。
  • 薬師十二神将
  • 薬師如来像のところでも取り上げましたが、薬師如来の蓮台の下に並ぶ、甲冑をつけた十二人の武人像(眷属)で、一体がそれぞれが7千の眷族を従えているとされています。
    後に十二支と結び付いたため、頭に十二支の動物の首をつけたもの、十二支を踏みつけたもの、顔自体が十二支になったものもあります。
  • 羅漢
  • 釈迦の弟子達を羅漢とよびますが、最も優秀な十人を十大弟子とよび、さらにその周囲にいて教えを聞いた弟子達の像で、数によって五百羅漢、十六羅漢、十八羅漢と分けられます。
  • 祖師・高僧
  • 祖師とは、宗派を興した宗祖や宗派を隆盛した人たちのことで、真言宗の開祖 弘法大師(空海)、天台宗の開祖 伝教大師(最澄)、日蓮宗の開祖 日蓮、浄土真宗の開祖 親鸞などです。
    また、鑑真和上や達磨大師、その他庶民の尊敬崇拝を受けた高僧の像なども含まれます。
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